骨董品は洗ったり磨いたりせず、そのままの状態で査定に出すのがおすすめです
汚れた骨董品は、基本的に自分で洗ったり磨いたりせず、そのままの状態で査定に出すことをおすすめします。表面の軽いほこりをやわらかい乾いた布や筆で払う程度なら問題になりにくいものの、水洗いや洗剤、研磨剤、金属磨きなどを使った手入れは、品物の表情や素材そのものを変えてしまうおそれがあるためです。
押し入れや蔵、物置から出てきた古い器や置物を前にすると、「汚れたまま見せるのは気が引ける」「きれいにしたほうが印象が良いのでは」と感じる方は少なくありません。その気持ちはとても自然なものですが、骨董品の場合は、きれいにしたつもりの手入れが、結果として品物の魅力を分かりにくくしてしまうこともあります。この記事では、骨董品を自分で手入れしてから査定に出してよいのか、素材ごとの注意点、そして手入れよりも役立つ査定前の準備について、順番に解説します。
自己流の洗浄や研磨を控えたほうがよい理由
自己流の手入れを控えたほうがよいのは、骨董品の古さや風合いそのものが、品物を確認するうえで大切な情報になるからです。新しい日用品であれば汚れを落とすほど見栄えが良くなりますが、骨董品は必ずしもそうとは限りません。
古さや風合いも品物の情報になる
長い年月を経た器や道具には、使い込まれたことによる色の深みや、表面のくすみ、独特のつやが生まれていることがあります。こうした経年の変化は、その品物がどのような時間を過ごしてきたかを伝える手がかりにもなります。強くこすって汚れと一緒に表面の風合いまで落としてしまうと、本来の状態が分かりにくくなる場合があります。
素材によっては水や洗剤で傷みやすい
骨董品には、陶磁器、漆、木、金属、紙、布など、さまざまな素材が使われています。素材によっては水分を吸い込んで変形したり、洗剤の成分でシミや変色が起きたりすることがあります。見た目には丈夫そうでも、古い品物は素材が乾燥してもろくなっていることがあるため、普段の掃除と同じ感覚で扱うのは避けたほうが安心です。
一度変わった状態は元に戻しにくい
研磨剤で削れた表面、薬剤で変わった色、こすって薄くなった絵付けや文字などは、後から元に戻すことが難しいものです。汚れは後からでも落とせる可能性がありますが、削れたり剥がれたりした部分は取り戻せません。迷ったときは「何もしない」を選ぶほうが、品物の状態を守ることにつながります。
素材別に気をつけたい手入れのポイント
ここでは、骨董品によく見られる素材ごとに、自分で触れる際に気をつけたい点をまとめます。どの素材にも共通するのは、水・洗剤・研磨剤・薬剤を使わず、強くこすらないことです。
陶磁器(器・壺・花瓶など)
陶磁器は水に強そうに見えますが、釉薬のかかっていない部分や、表面に細かなひび模様がある部分は水や汚れを吸い込みやすく、洗うことでかえってシミが広がる場合があります。金彩や上絵付けが施されたものは、こすると模様が薄くなるおそれもあります。表面のほこりを乾いた筆や布で軽く払う程度にとどめておきましょう。
漆器・木製品
漆器や木製の道具は、水分や急な乾燥に弱い素材です。濡れ布巾で拭いたり水に浸けたりすると、反りや割れ、漆の剥がれにつながることがあります。また、家具用のワックスやつや出し剤を塗ると、元の質感が変わってしまう場合があります。乾いたやわらかい布でほこりを払うだけにしておくのが無難です。
金属の工芸品(銅器・鉄器・銀器など)
金属製の骨董品は、くすみやさびを落としたくなる代表的な品物です。しかし、市販の金属磨きや研磨剤で光らせると、表面の色合いや細かな加工の跡まで落ちてしまうことがあります。鉄製の品物のさびを無理に削ったり、銅製品を薬剤で磨き上げたりするのは控えましょう。さびが広がるのが心配な場合も、湿気の少ない場所で保管したうえで、そのまま相談するのがおすすめです。
掛け軸・書画・紙や布のもの
掛け軸や書画、古い紙や布を使った品物は特に繊細です。シミやカビが気になっても、水拭きや漂白剤、消しゴムなどで落とそうとすると、紙が破れたり、墨や絵の具がにじんだりするおそれがあります。無理に広げたり巻き直したりすることも折れや破れの原因になるため、見つけたときの状態のまま扱うことを意識してください。
査定前にしてもよい最低限の手入れ
査定前にしてもよいのは、品物を傷めない範囲で表面のほこりを軽く払う程度です。具体的には、次のような手入れであれば大きな問題になりにくいでしょう。
- やわらかい乾いた布や、毛先のやわらかい筆で表面のほこりをそっと払う
- 箱の外側についたほこりを軽く落とす
- 湿気のこもる場所から、風通しのよい室内へ移しておく
- やわらかい布などで包み、品物同士がぶつからないように置いておく
反対に、水洗い、洗剤やアルコールでの拭き取り、研磨剤や金属磨きの使用、ドライヤーなどで急に乾かすこと、接着剤での補修は避けたほうが安心です。「少しだけなら」と思っても、古い品物ほど影響が出やすいことを覚えておきましょう。
手入れよりも大切な査定前の準備
骨董品の査定前には、品物をきれいにすることよりも、品物にまつわる情報や付属品をそろえておくことのほうが役立ちます。
箱や付属品はそのまま残しておく
骨董品には、品物を収めていた木箱や、箱に書かれた文字、包んでいた布、添えられていた書付などが残っていることがあります。古びていたり汚れていたりしても、処分せずに品物と一緒に保管しておきましょう。箱と中身がばらばらになっている場合も、分かる範囲で組み合わせておくと確認がスムーズです。
入手した経緯を分かる範囲でメモする
「祖父が集めていたもの」「実家の蔵にしまわれていたもの」など、品物を手に入れた経緯や保管されていた場所が分かれば、簡単にメモしておくと査定時の説明に役立ちます。詳しい由来が分からなくても問題はありません。思い出せる範囲で十分です。
割れや欠けは無理に直さない
器の欠けやひび、置物の破損などを見つけると、接着剤で直したくなるかもしれません。ただし、自己流の補修は元の状態を分かりにくくするほか、接着剤の跡が残ってしまうこともあります。割れたかけらが残っている場合は、捨てずに一緒に保管しておきましょう。傷や使用感がある品物でも、相談できる場合があります。
汚れや傷みが気になる品物の相談方法
汚れや傷みが気になる骨董品は、手入れをせずにそのまま査定を相談するのがよい方法です。総合買取専門店 にこにこ堂では骨董品を取扱品目としており、古い品物でもまず状態を確認したうえで判断します。品物の状態や種類によって査定結果は異なり、内容によっては買取できない場合もありますが、売却を決める前の査定相談も可能です。
骨董品は重さがあったり割れやすかったりして、持ち運びに不安を感じることも多い品物です。そうした場合は、ご自宅で品物を確認する出張買取について相談できます。点数が少なく、持ち込みやすい大きさの品物であれば、店頭での査定にも対応しています。蔵や物置の整理で複数の品物が出てきた場合は、手入れや仕分けを先に完璧にしようとせず、まとめて相談することも考えてみてください。どの品物を相談するか迷う場合は、納戸や物置の整理で出てきた品物、査定相談できる物の見分け方も参考になります。
出張買取を利用する場合は、品物を無理に移動させず、置いてある場所が分かるようにしておくだけでも準備としては十分です。訪問当日の過ごし方については、出張買取の訪問当日は何をしておく?在宅中の準備と過ごし方でも紹介しています。
まとめ:骨董品は「きれいにする」より「そのまま守る」
骨董品は、汚れていても洗ったり磨いたりせず、そのままの状態で査定に出すのがおすすめです。してもよい手入れは、乾いたやわらかい布や筆で表面のほこりを軽く払う程度にとどめましょう。陶磁器・漆器・木製品・金属工芸品・掛け軸や紙ものは、それぞれ水や薬剤、こすれに弱い特徴があり、一度変わった状態は元に戻しにくいものです。
手入れに時間をかけるよりも、箱や付属品を残し、入手した経緯を分かる範囲でメモしておくほうが、査定の場面では役立ちます。汚れや傷みが気になる品物ほど、自分で判断せずに、まずは状態を見てもらうところから始めてみてください。


